切手と空箱 2019 8 17
「飛行機は、長い滑走路を必要とする」
垂直離陸・垂直着陸ができる「F-35B」について、
「すごい」と称賛する動画を見かけますが、
私から見れば、戦闘機であることを犠牲にした姿に見えます。
そもそも戦闘機は、離陸時には、
燃料を満載、ミサイルも満載、
空母の艦載機であれば、
爆弾も満載した状態で離陸するのが、理想です。
そうなると、離陸時の重量は、極めて重いものとなります。
だからこそ、長い滑走路を必要とするのです。
しかし、垂直離陸・垂直着陸するとなると、
なるべく離陸時の重量を減らすために、
重量級のミサイルや爆弾は搭載しないほうがよいとなります。
さらに、垂直離陸・垂直着陸の際には、
燃料を大量に消費します。
だから、「F-35B」は、せめて離陸の時だけでも、
燃料を節約するために短距離離陸をせざるを得ないのです。
そういうわけで、「F-35B」は、技術力の誇示には有効でも、
実用性には疑問符が付きます。
もちろん、ないよりはあったほうが、ましです。
日本は国土が狭く、小さな離島が多いので、便利かもしれません。
ただし、「F-35B」は、スタート時に電源は必要でしょうか。
昔の「F-15」は、電源が必要なかったので、
無人の滑走路に着陸しても、全く問題なかったと聞いたことがあります。
さて、ここで、多くの人は、空母の艦載機のことを連想したはずです。
「アメリカの原子力空母は、どうなっているのか。
いくら巨大でも、戦闘機にとっては、短すぎる滑走路である」
実は、空母の甲板は、飛行機にとっては、滑走路ではありません。
燃料を満載して、ミサイルや爆弾も満載した「F/A-18」が、
どうやって飛び立つのかというと、
射出機によって空母から打ち出されるのです。
これは、ビリヤードで球を強く打ち出すような方法に近いのです。
さて、アメリカの原子力空母が、いくら巨大でも、
上空から見れば、「海の浮かぶ切手」のように小さく見えます。
そんな小さなところに、
戦闘機は、どうやって着陸(着艦)するのか。
「F/A-18」の後尾には、フックがついています。
そのフックを空母のワイヤーに引っ掛けて止まります。
これは、とうてい正常な着陸とは言えず、
「人工的な墜落」と言われます。
やがて、人類も、科学技術が発達して、
UFOのように強力な垂直離陸・垂直着陸ができるようになったらいいですね。
ただし、UFOの飛行原理からすると、
水平方法は極めて安定していますが、垂直方向は不安定です。
いくら科学技術が発達しても、
やはり空を飛ぶものは、垂直方向が苦手かもしれません。
ちなみに、UFOの内部は、ハイテク部品が満載されているように思うでしょうが、
実は、空箱が飛んでいるようなもので、中は、がらんどうのようなものです。
宇宙技術 2016 9 18
JR東海が進めるリニアモーターカーは、宇宙技術に少し近づいたかもしれません。
遠くへ早く行こうとするならば、どうするか。
強力なエンジンが必要になる上に、
燃料も、たくさん必要になってくるでしょう。
そうなると、ロケットも宇宙船も巨大化してしまうでしょう。
話が抽象的になりましたので、鉄道で考えてみましょう。
まずは、蒸気機関車で考えます。
蒸気機関車で、遠くへ早く行こうとするならば、
まず、蒸気機関を強力なものにする必要があります。
そうすると、蒸気機関の巨大化は避けられないものとなります。
さらに、石炭も大量に搭載する必要があります。
次は、電車になると、どうなるか。
遠くへ早く行こうとするならば、
まず、モーターを強力なものにする必要があります。
次に、強力で巨大な電池を搭載する必要があります。
しかし、電池を巨大化させるのは現実的ではないので、
駆動エネルギーは外部から調達することになりました。
つまり、電線から電車に電力を供給する方式です。
さて、リニアモーターカーは、どうなっているか。
もはや、モーターのような駆動装置すら搭載されていません。
単なる箱が超高速で移動するだけです。
(箱には強力な磁石がついています)
書名 宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学
著者 半田 利弘 誠文堂新光社
「宇宙戦艦ヤマト2199」は、少年向けの人気アニメです。
だから、この本も、子供向けの本かと思いましたが、
中身は、真面目に天文学を論じている本です。
著者が天文学者だからでしょう。
そういえば、アメリカでは、
科学者が「スターウォーズ」について科学的に分析していました。
宇宙のトンネル 2010 8 1
宇宙にトンネルがあると言ったら大変なことになるでしょうか。
おそらく、科学者たちは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか」と議論になるでしょう。
しかし、それは、余計な詮索と言えるでしょう。
こう考えてみれば、どうでしょうか。
車で道路を走っていたら、トンネルがあった。
トンネルを通れば、向こう側まで10分で行くことができます。
しかし、このトンネルは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか。
それがわからない限り、トンネルを通ることはできない。
だから、私は、峠道を5時間もかけて向こう側まで行く」という人がいるでしょうか。
たいていの人が、何も考えず、便利にトンネルを使うでしょう。
やがて、人類も、何も考えず、
便利に宇宙のトンネルを使うことになるでしょう。